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実践ゾーンシステム! その四

いよいよ本日が、ゾーンシステムシリーズ完結編です!

これまで、

■ ゾーンシステムって何?

■ ゾーンシステムを適応するとどうなるの?

■ ゾーンシステムの適応の仕方は?

 -露出決定において

 -スキャンにおいて

についてお話してまいりました。

完結編の今日は、ゾーンシステムの適応方法@ポストプロセス・・・についてお話いたしたいと思います。

昨日までに、撮影を終えたフィルムを現像して、スキャナでPCに取り込みまで進みました。

これを、LR4を使用しながら、ポストプロセスを詰めてまいります。

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スキャナで取り込んだだけの写真はこんな感じのヒストグラムを示します。全体的に中央によって、ハイライト側とシャドー側に余裕があります。描写としては、ローコントラストで眠い感じになります。

ヒストグラムは、画面全体の輝度の分布を示します。全体的に明るければ、右側(ハイライト側)の情報が増え、逆に暗ければ左側(シャドウ側)の情報が増えます。こちらで挙げた画像では、左側に情報が多くなっておりますので、全体的に暗いと言えるでしょう。言い換えれば、ダークやシャドウの情報がより多く画面を占めているとも言えるかと思います。

では、まずLR4のモノクロプリセットであるセレン調を適応して見ましょう。

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こちら↑がセレン調を適応した状態のヒストグラムとなります。全体的にコントラストが増しました。しかし、まだまだ、ハイライトとシャドーには余裕があります。画像としても、まだメリハリが足りない感じがします。

それでは、次に明瞭度を上げてみましょう。

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明瞭度を75%プラスしました。

更にコントラストが増して、ハイライト側、シャドー側共に延びました。また、ヒストグラムの落ち込みがあったところに情報が増加しました。覆い焼きされたような感じですね。

ここから、仕上げに入りましょう。

トーンカーブを調整して、コントラストを任意に上げていきます。

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ハイライトとライトをプラス補正して、ハイライト側にギリギリまで寄せました。ゾーンⅨやⅩの情報を乗せたことになります。

全体的に少し暗めだったので、ダークも若干プラス補正しました。シャドーが持ち上がります。このままですと、シャドー側の情報が希薄になりますので、締りがなくなります。

そこで、シャドーはマイナス補正します。ゾーンⅠくらいまで再現しました。

もっとヒストグラムとトーンカーブの関係を良く理解すれば、直接トーンカーブを操作して調整できるのだと思います。私は、まだその理解が足りませんので、「ハイライト」「ライト」「ダーク」「シャドウ」の4つのバーをスライドして、調整しております。

ではその結果を見てみましょう。既にその二にてご紹介しました。

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こちらのお写真になります。

ポストプロセスでの画像調整において、私は、主にヒストグラムを見ながら調整を進めます。トーンカーブを調整して、画像上で確認して・・・という繰り返しです。

今回は、ハイライト側はヒストグラムを出来る限り伸ばし、シャドー側には少し余裕を持たせました。これは、写真が変わればその状態も変えます。画面を見ながら、ゾーンスケールのどのゾーンに当たるかを見て、微調整の方向や程度を決めます。

また、ヒストグラムの形状は画面全体の輝度分布を示しますので、この形が変わると画面の印象はガラリと変わります。出来るだけ初期状態を保てば、オリジナルの印象を色濃く残すことが出来ますし、ヒストグラムの形状を変えれば、印象をガラリと変えることも出来るということになります。ポストプロセスで色々と調整を進めますと、時に最初の状態がわからなくなることがございます。そんな時は、「初期状態」に戻ってこのヒストグラムの形状を再確認すると良いかと思います。

さて、以上が私なりのゾーンシステムの理解であり、その実践的適応の仕方でございます。

ゾーンシステムとは、難解で高い技術を要する写真技法・・・ではなくて、知っておくととても便利なツールである、と言うことが分かって頂けると幸いです。

何かに感動して、シャッターを切った瞬間のシーンを、より再現してその感動を写真に載せるために、このツールを用いれば、とても良い指針になるんです。

さあ皆様、これで、ゾーンシステムがシンプルで、とても便利な指標ツールである・・・と言うことを、ガッテン頂けましたでしょうか?!

それでは、試してガッテン、また来週~♪

・・・って、来週はないです~(汗)。

でも、明日、もう1回だけございます~(汗)。

付録としてお届けいたします~。

【Acknowledgement】

まず最初に、黒顔羊さんにSpecial Thanksです!

今回ご紹介した中での、フィルムスキャンのお作法、ヒストグラムの見方やトーンカーブの調整法など、昨年8月の愛知合宿にて黒顔羊さんにご指導頂きました!

そして、このゾーンシステムの生みの親、アンセル・アダムズの存在を私に教えて下さったのも黒顔羊さんなのです。本当にありがとうございます!

次に、ricky007さんに感謝です!

このゾーンシステムの存在と、それに対する興味を抱かせて下さったのが、何を隠そうricky007さんでございます。以前、ricky007さんのデジタルのブログにて、ゾーンシステム勉強会、のようなエントリーをいくつか挙げて下さいました。この機会に、改めてお礼を申し上げます!

そして、film-gasolineさん

以前、コメントでゾーンシステムについて投稿下さいました。今回のネタは、そのコメントがきっかけとなっております。フィルガソさん、ありがとうございます!

そして、Pic-7さん

前半の回にて、ご質問を下さいました。おかげで、後半にその内容を盛り込むことが出来ました!ありがとうございます!

最後になりましたが、こちらに訪れてくださる皆様、いつもありがとうございます。

ゾーンシステムを御存知無い方が、少しでも知る一助となれば幸いです。


10件のコメント

  1. 黒顔羊 より:

    ゾーン・システムのとっても詳しい説明、ありがとうございました♪
    フィルムって、ハイエストライトからディーペストシャドウまで、余さずスキャンしておけば、後は煮るなり焼くなり、なんとでもなります。^^v
    ま、デジタルで言うところのRAWですね、ぱっと見は眠いんですが、恐ろしいほどの階調が詰まってます。
    Adobe Lightroomはそういう素材を活かして作品を作るときに最適のソフトウェアなんであります。
    私はデジタル一眼レフもミラーレスもコンデジも銀塩フィルム写真も、みーんなLightroomです。
    ワークフローが統一できるので楽ちんなんであります~♪
    これから、フィルム写真でのゾーンシステムやスキャニング、ポストプロセスに関して言及する際には、こっちにリンクを貼らせていただくことにしますね。^^v
    私が自分で書くより、よほど要領よくまとまっているんであります。
    さすがエンジニア、理系脳は違うわ~。^^;

  2. Ricky007 より:

    うんうん!こういうまとめ投稿は貴重ですよね!
    皐月の樹さんは、実践を伴って解説されているので、とても参考になりますよ!!
    人に教えるのって面倒じゃないですかっ!なので、これからは、このページ見ろ!で済ませることができます(笑)
    ゾーンシステム…わたしもブログのコメントを書いてくれる方から教わりました。露出に関してもやもやしていたものが、すっと解消したって感じでした。

  3. gucci より:

    いや?説明分かりやすいですね?
    しっかり勉強しておかないと!(^^)
    フィルムもデジタルもそれぞれ楽しいですが、仕上げる際には、やはりこういった露出調整が肝ですもんね!
    感謝感謝です!(^^)

  4. 皐月の樹 より:

    黒顔羊さん
    こんばんは~!
    いえいえ、こちらこそ、ありがとうございます~^o^/
    仰るとおりですね~。フィルムの持つ諧調、とんでもないんでございます!ポストプロセスをすればするほど、感じますね~!
    特に輝度差の激しいシーンでは、フィルムの能力の高さを感じます。デジタルでは、まだまだ敵いません~^^;
    LRはこのフィルムの情報を、うま~く引き出してくれますよね~!
    私も、とても助かっておりますv^o^
    お~、リンク貼っていただけるとは、ありがたいことです~^^;
    今回は、自分の頭を整理するために、ちとやってみました。
    でも、本当の理由は、新作写真が無い・・・ということなのですが~^^;;;

  5. 皐月の樹 より:

    ricky007さん
    こんばんは~!
    ご参考、いただけますか~!?ありがとうございます~^^;
    でも、元々、ricky007さんからのご提案があってのゾーンシステムなんです・・・私の中ではv^o^
    ご参照いただけるとは・・・恐縮です~^^;
    でも、まだまだ中途半端なんですけどね~^^;
    お恥ずかしい。
    また機会があれば、続編でもやってみますかね~^^;
    ゾーンシステム、分かりやすいんでございます!
    ホント、改めてアンセル、すげ~!って感じですv^o^

  6. 皐月の樹 より:

    gucciさん
    こんばんは~!
    ありがとうございます~^^;
    少しは、伝わりましたでしょうか?
    難しくは無いんです。ただ、ちょっと覚えておけば、便利なんです!v^o^
    デジタルにしても、フィルムにしても、撮ったままの状態は、何が正か分かりませんしね~^^;
    なので、しっかりとした基準を一つ設けておくことによって、再現がしやすくなりますよね~!
    そのツールがLRなどの画像処理ソフトで、そのものさしがゾーンスケールだと思うんです~v^o^

  7. film-gasoline より:

    ゾーン・システムがとても分かりやすく説明されてますね~。
    LR4のツール画面をそのまま載せていただいたので、とても分かりやすかったですよ^^
    最近はスキャンもオートでやっちゃっているし、手抜きが多い私です。
    反省しないといけないのだ~^^;
    リンクありがとうございました^^;

  8. 皐月の樹 より:

    film-gasolineさん
    こんばんは~!
    ありがとうございます~^^;
    伝わりましたでしょうか~?^^;;;
    もしそうであれば、今回やった甲斐は十分にあったんでございます~!
    私も、最初はスキャンはオートで取り込んでいたのですが、巨匠(黒顔羊さん・・・^^;)から、出来るだけフィルムの情報を拾い上げた方がよい・・・というご指導を受けまして、それからはそのようにしております。
    でも、そのおかげで、ポストプロセスに余裕が出ました~v^o^
    フィルム情報は一度デジタル化しておけば、あとはPC上で何とでもなりますので、スキャンだけは時間かけてもいいかな~・・・と思っております^^; 結構、面倒ですけどね~^^;;; 
    特に、36枚撮りフィルムは・・・時間かかりますね~^^;;;

  9. Pic-7 より:

    わ~、充実の内容です!!
    まず、僕はコントラストとヒストグラムの関連について、あやふやな理解度しかなかったことに気付きました。
    ・高コントラスト=明るいところはより明るく、暗いところはより暗く=中間色がなくなって諧調が低い
    ・低コントラスト=暗い部分から明るい部分までの幅が広い=のっぺりした写り
    ここまでは良いと思うのですが、諧調を広くするのと、コントラストを高くするのは、決して相反するものではないんですね。
    そして、トーンカーブの操作方法も初めて知りました。
    〉「ハイライト」「ライト」「ダーク」「シャドウ」の4つのバーをスライドして、調整
    こんな便利な方法があったとは・・・
    今までトーンカーブを直接「エイやっ」っていじっていたので、
    皐月の樹さんやみなさんのような、細やかな調整ができていなかったと思います。
    今までは、
    〉ヒストグラムの形状を変えれば、印象をガラリと変える
    ことが多かったPost Processですが、
    今後は
    〉オリジナルの印象を色濃く残すことが出来(る)
    Post Processもちゃんと自分でコントロールしながらできそうです。
    ありがとうございました~!!
    第5は、明日じっくりと読みます^^

  10. 皐月の樹 より:

    Pic-7さん
    こんばんは~!
    こちらこそ、ありがとうございます~(^^;
    お喜びいただければ、幸いです!やった甲斐があります♪
    そうですね~、コントラストが高い状態は、ヒストグラムの両端に山ができる状態ですね~。ヒストグラムの領域いっぱいに情報が広がっていても、山が中央にあると、コントラストは低くなりますね~(^^)v
    諧調はその画像が十分に情報を持っていれば、必ず破綻せず滑らかに表現してくれますよ~(^^)v
    今回の写真は、日中の晴れ間に撮って、かつモノクロですので、これでもかーっってくらいに詰まっておりますね~(^^)v
    デジタルでも、光が十分にあれば、しっかり出てくれます。
    でも、コントラストが低い場面では、後でコントラストを上げていくと、フィルムとデジタルでは、諧調のつまり方に大きな差があることを実感しちゃいますね~(^^;
    ポストプロセスって、楽しいですよ~!
    是非、色々と遊んじゃってください♪(^^)v

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