PENTAX 67_4111-2_R

2014年7月30日

実践ゾーンシステム! その五

【Appendix】

さて、実践ゾーンシステムも、昨日の回で完結いたしました。

本日は、付録としてお届けいたします。

その内容は?!

・デジタルカメラの場合のゾーンシステム適応時の注意

です。

■露出の決定(逆光、半逆光時)

先日の「その三」の際にも少し触れましたが、デジタルカメラでの撮影時、逆光や半逆光の条件では、場合によっては適正露出を変える必要があります。デジタルに慣れてらっしゃる方にとっては、ある意味当たり前のことで・・・今更かもしれません。

フィルムでは、ゾーンスケールに従って、画面内の構成から適正露出を導き出し、露出を決定するとご説明いたしました。しかしながら、デジタルカメラの場合はこの適正露出から、更に1段~2段下げる必要がございます。画面の中に、白いモノ(雲、岩肌、川の白濁、白い建物、白い服など)がある場合、そこが容易に白飛びしてしまうからです。

以下の様なシーンを例にして、露出の違いをご紹介します。

Rolleiflex_t_22612

Rolleiflex T  F3.5 SS:1/500  T-MAX100

まず、こちらはローライで撮影したお写真です。露出は、F3.5×1/500です。

因みにこのお写真は、フィルムをスキャンしたままの状態です。

後ほどポストプロセスに掛けます~(笑)!

K5_620882

K-5+SIGMA AF20/1.8 EXDG  F1.8 SS:1/6400

次にこちらはK-5でのお写真です。露出はF1.8×1/6400です。上のRolleiflexTに比べて絞りが2段ほど明るいですから、F3.5相当でSSは1/1600くらいになるかと思います。つまり上のローライのお写真よりも1.5段ほど露出を下げていることになります。

K5_2

雲の薄い箇所はギリギリ白飛びを抑制しております。しかし、露出が低すぎて祠は黒潰れしております。逆光で、影の中の建物ですから、無理もないかも知れません。この辺りがデジタルの限界ですね~。

さて、ここからLR4にてポストプロセス処理をしたいと思います!

■デジタルでのポストプロセスの限界

それではK-5 の写真をポストプロセスに掛けてまいります。第4回でご紹介した手順を、今回も適応してみます。

K5_752

まずは、LR4のモノクロプリセット、セレン調を適応して、更に明瞭度を+75%にしました。ヒストグラムを見てみますと、中間からライトに掛けて少しトーンが出てまいりました。一方で、ハイライトは飛んでしまいました。シャドウは潰れたままです。

K5_752_2

次にトーンカーブをこれでもか~!と言うくらいいじり倒しまして、中間からライトのボリュームを上げました。白飛びが強くなりましたので、露出を下げて、コントラストも下げました。ダークとシャドウは目いっぱい持ち上げております。それでも黒潰れは消せません。

最後にビネットを入れて、仕上げております。そのお写真がこちら↓です~。

K5_620884

なんとなくフィルムっぽくなってきました。

・・・が!
やっぱり違うんですよね~。空のトーン、足元の草の描写、祠の描写・・・いずれも力不足感が否めません。

次に、Rolleiflex Tでのお写真をこちら↓にご紹介いたします。

Rolleiflex_t_22615

ポストプロセスでは、同様にセレン調を適応して明瞭度を75%に上げ、トーンカーブを少しいじって、中間~ライトを持ち上げて、最後にビネットで仕上げております。ただし、K-5でやったような露出下げ、とコントラスト下げはしておりません。必要ないからです。

う~ん、やっぱり違うんです!持っているトーンが、情報量が、違うように思うんです。

もちろん、画角も違えばフォーマットも違う、おまけに絞りも露出も違うので、1:1で比較するのは間違っているのです。

そう、間違っているのです。
つまり、デジタルAPS-Cごときでは、到底敵わないのです。

ちなみにローライの写真の方のヒストグラムはこんな↓感じです。

Rolleit_752

いかがでしょう?中間~ライト~ハイライトに掛けての情報量がK-5に比較して多いのがお分り頂けますでしょうか?トーンカーブもまだまだいじれる余裕がありますので、実は、もっと情報量を出していくことも可能です。ただ、オリジナルのイメージを壊したくないので、ここで留めてある・・・といった感じです。

☆これは私の推理ですが・・・

デジタルは、白飛び抑制のために露出を落とさなければいけません。その分、ダークやシャドウの情報量は必然的に下がります。情報量が下がると言うことは、ノイズの割合が増えてしまうと言うことになります。撮影時に低感度で撮影しても、ポストプロセスで持ち上げると言うことは、その箇所は高感度撮影したようになります。ノイズ比が高くなると、必然的にノイズ抑制のためのデジタル処理が入ります。諧調も解像度も失われます。それを計算で持ち上げると、いわゆるデジタルっぽいのぺっとした描写になるのでは?と。

フィルムは、おそらくしっかりと情報を持っていると思うのです。スキャンする際も、十分な光を当ててフィルムを透光して読み込みますので、フィルムで暗くなっている部分も、データとしてはよりノイズ比を下げて取得できるのでは?と思うのです。もちろん、フィルム自身が持つ粒状感は残りますが。結果、ポストプロセス耐性がとても高くなるのではないかな~?と思うのです。

ま、あくまで素人の憶測に過ぎませんが・・・(汗)。

■付録まとめ

デジタルでの撮影・・・特に逆光や半逆光のような条件においては、ゾーンシステムで謳われている最適露出から1段~2段下げなくてはいけない場面が多々あります。露出を下げる量は、カメラのダイナミックレンジに依存します。

また、露出下げの影響は、ポストプロセスでの作業量を増やす結果となります。それだけ無理なデジタル処理を施すと言うことは、オリジナルの印象を損なう結果となる可能性が大きいです。

以上のことを念頭にして、ゾーンシステムをご利用いただければと思います~!

さて、全5回にわたってお届けしてまいりました、実践ゾーンシステム!いかがでしたでしょうか?

また、いつの機会かに写真に関する勉強会・・・的なエントリーをやってみたいと思います。それまで、ネタを探します~(笑)!


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