この秋、レンズを2本(中判も含めると3本だ^^;)、135判用に導入いたしました。
来たるべく、ペンタのフルフレーム・デジタル機導入のための準備を着々と進めております♪
昨日、少しだけ触れましたが、smc PENTAX 50mm F1.2がその1本です。
今日は、もう1本をご紹介いたします。
少し変わり者です^^;
生まれはUkraine、Kiev♪
Kievといいますと、私、Kiev88Cとそのレンズ2本を持っております。
Arsat CとKaleinarでございます。いずれもArsenalというブランド名です。
このArsenalは、Arax Companyの前身のようなんです(違っていたらすみません^^;)。
そして、私が入手したレンズは、このAraxブランドの~

Arax 2.8/35 S&T
でございます♪ S&Tというのは、Shift(シフト) and Tilt(チルト)の略です。
日本語で言うと、あおりレンズのことでございますね。
さて、まずはあおりレンズの事に付いて、少しだけ。
ご存知の方は読み飛ばしください~^^;
あおり・・・とは、レンズの光軸の角度を任意に変えることの出来る機構です。
通常、今のカメラでは、レンズの光軸はフィルム面/撮像素子面に対して垂直になっており、その角度は変えられません。
しかしながら、大判カメラでは、そのフォーマットの大きさから、パンフォーカスを作るためにこのあおり機構が付いております。
では、どうして光軸の角度を変える必要があるのか?
あるいは、それを変えることができると、どんなことが出来るようになるのか?
丁度良いサイトを見つけましたので、貼っておきます♪
参考:HORSEMAN TS-pro
あおりには、シフトとチルトがございます。
シフトは、レンズを上下方向にずらす機構です。チルトは、レンズを傾ける(首をかしげるように)機構です。
それぞれの光学的な説明も、また良いサイトを見つけましたので、貼っておきます♪
参考:てーへんカメラマンの日々
シフトを使いますと、例えばビルなどの高層建築物の撮影に重宝します。
高層ビルを撮影する際に、下から見上げるようにレンズを向けますので、どうしてもパースが付きます。絵としては、肉眼で見ているよりも先細りの建物になります。
レンズを情報にシフトしますと、光軸が傾くことによって歪が生じます。その歪で相殺させてパースを消すわけです。
私は、高層建築物をそれほど撮りません。
でも、越後で大きな一本木を撮ったり、里山の祠を撮ったりする時に、このパースが木になっておりました^^;
肉眼で見る印象とは、どうしても違う印象になるのがしっくり来なかったのです。
そこで、シフトレンズ♪

もうひとつの機構、チルトです。
こちらはこれは、焦点面を任意の角度に変えることが出来ます。
つまり、被写体の角度に合わせて焦点面を合わせてやれば、絞り開放の状態でもピントを当てることが出来ます。
それが上述した、大判カメラでのパンフォーカスの作り方です。
逆に、焦点面を被写体の面に対して角度を付けてやれば、一線、あるいは一点に焦点を持ってくることが出来ます。
ごく一部だけに焦点が合った、ふわふわな絵が出来上がるわけです。
一般的な風景をミニチュア風に撮影した写真がございますが、あれがまさにチルトを利用した写真です。
(もちろん、今はソフトである程度できちゃいますが^^;)

いかがでしょうか?
焦点面の角度や光軸を任意に変更できるって・・・凄いじゃん!
めっちゃ、楽しそーじゃん!
となるわけですが・・・現実はそれほど楽しくないのです^^;
このあおり機構が付いたレンズ・・・超が付くほど高価です^^;
例えば、二大メーカーであるCさん、Nさん、共に出してらっしゃいますが、数十万円台です^^;
とても、サラリーマンに買える値段ではございません。
では・・・サードパーティ・メーカー製となるわけですが、PENTAX Kマウント用となりますと、かなり制限が出ます。
このArax(ウクライナ)の他には、Samyang(韓国)、Hartblei(ウクライナ)・・・くらいでしょうか?
T&Sレンズのメーカーなどについて紹介しているサイトを見つけましたので、貼っておきます。
参考:ティルとレンズ、シフトレンズ、あおりレンズとは(動画もあるのでご参考まで~♪)
Hartbleiは、もう製造していないようなのです。
Samyangは・・・24mmがございますが、10万オーバーです。しかも、その描写は、ネット上の写真やReviewを見る限りそれほど良くないようです。滲みが気になります^^;
他には、レンズベビーという手もあるのですが・・・どうも趣向が違うような気がして・・・^^;
Araxは、ネット上でメーカーから直輸入も可能です(ARAX 2.8/35 T&S)。US$600くらいです。
そして、その描写も、なかなか良さそうです。Reviewも、絞り環が緩い・・・ということを覗けば良さそうです。
Pentax ForumsにもそのReviewが上がっておりました→(Pentax Forums Lens Review: Arax 35mm f/2.8 TS)。
ということで、大体めぼしは付けておりました。
でも・・・どうやって入手するかな~?でした。やっぱり直輸入?^^;
と思っていた矢先に、某オークションサイトで見つけてしまったわけです!
美品が、4万円・・・。
決して安くは無いのですが、大手のレンズの10分の1!
早速、妻に交渉~・・・補正予算確保!v^^
これは逝くしかないでしょう~!・・・ポチッ。^^;

かくして、我が家にこのARAXの35mm S&Tレンズがやってまいりました~♪
これ、シフトとチルトをしながら、更に回転させることが出来ます。

それ故、縦構図でも横構図でも同じようにS&T出来ますし、逆シフトも出来ちゃいます。更に任意の横行でシフト、チルト出来るんです♪

さあ、このS&Tの威力は如何なものなのか?!
作例は、また後日改めてご紹介したいと思います~^^;