PENTAX 67_4111-2_R

実践Bokeh Panorama

それでは改めまして、Bokeh Panoramaについて話を進めたいと思います。

以前プロローグとしてご紹介しましたBokeh Panoramaですが、今日はそのお作法について順を追ってお話したいと思います。

 

=Bokeh Panoramaの目的=

主たる目的は、出来るだけ被写界深度の浅いレンズで主題を浮かせ、背景、前景を出来るだけフレーム内に取り込む。

それによって得られる独特の浮遊感を楽しむ・・・事に重きを置いております^^;

 

=機材=

◇カメラボディ:デジタル機であれば何でもよい・・・というのが結論ですが、よりその効果を大きく感じるためには、フルフレーム機が良いように思います。私の場合、デジタル機はけーいちくんしかございません^^;

◇レンズ:有効径(焦点距離÷開放F値)の大きなレンズで、中望遠以上が良いようです。私は、Cosina Zeiss Planar T* 1.4/85をメインに使っております。

◇ソフト:合成ソフトが必要になります。Photoshop系やMicrosoftのICEというのがあるようです。私は、Photoshop CCを使用しております。

 

=撮影=

全てマニュアル撮影で致します。

◇フォーカス:主たる被写体に焦点を合わせたら、すべてのカットをその焦点位置のまま撮影します。その為、AFレンズよりもMFレンズが良いと思われます。AFレンズの場合、カメラをMFモードで撮影します。撮影の際は、ヘリコイドを動かさないよう注意します。特にAFレンズはヘリコイドが軽い場合があるので、要注意です。

◇露出:露出もマニュアルで固定して撮影します。大凡撮影範囲と思われるシーンの露出を確認して、白飛びしないようアンダー気味に設定すれば間違いないと思います。カメラのモードは「M」モードで、レンズの絞りは開放値に設定、ISOも最低値に設定。その上でSSを適宜決定します。開放F値が1.4などの場合、日中晴天時などはSSが1/8000でもオーバーとなる場合がございます。その場合、NDフィルターなどで減光するのが良いです。

◇ホワイトバランス(WB):WBもマニュアルで固定しておくのが良いです。フレーム内に日向と日陰がある場合など、AWBにしておくとWBが振れます。あるいはRAW撮影してポストプロセスでWBを統一させるというのも一つの手です。私はRAW撮影後、調整しております。

◇撮影:撮影したいシーンのフレーミングと主たる被写体を考え、複数カットに分けて撮影します。

1.主役に焦点を合わせたらフォーカスリングはそのままにして、撮影を進めます。

注1.三脚は使いません。使わない方が撮影がスムーズでオーバーラップ量など間違いにくいと思います。

2.各カットではオーバーラップが必要です。必要なオーバーラップ量は、合成ソフトにもよるようです。Photoshop CCの場合、30~60%が良いようです。フレームの中央部は少なめのオーバーラップ量でも良いようですが、外周に行くに従い大きなオーバーラップとした方が合成の失敗がないように思います。

3.撮影順序は、中央から円を描くように撮り進める。どちらかの角からジグザグに進む。など様々あるようです。この順序が合成の合否を決定する場合があるので、様々に試されて最良の順序を得られるのが良いと思います。ICEというソフトではその順序もお作法として決まっているようです。

以下は、中央から下へ、次に左下→左中→左上→中央上→右上→右中→右下の順で撮影した場合の実例です。

K_1P4337-2_R

【中央】

K_1P4338-2_R

【中央下】

K_1P4339-2_R

【左下】

K_1P4340-2_R

【左中】

K_1P4341-2_R

【左上】

K_1P4342-2_R

【中央上】

K_1P4343-2_R

【右上】

K_1P4344-2_R

【右中】

K_1P4345-2_R

【右下】

この撮影時のオーバーラップ量はおよそ30%でした。9枚合成となります。

 

=ポストプロセス=

◇レンズ収差補正など

大口径レンズの絞り開放で撮影しますと、レンズの収差の影響で周辺減光などがございます。

これらを除去しないと、合成後にフレーム内に不自然な暗がりが出来たりします。

私の場合は、Lightroomでレンズ補正を入れるようにしております。

Lens Profile02_R

Lightroom CCには丁度Zeiss Planar T* 1.4/85というデフォルトのプロファイルがございます。ZEマウントですが・・・まあ大差はないでしょう^^;

結果は、以下の通りです。

K_1P4337-3_R

左がレンズ補正プロファイル適応前、右が適応後です。

周辺減光がなくなっているのが分かると思います。若干樽型歪曲収差も補正されております。

撮影ファイルは、JPEG出ししておきます。

ここまでくれば、次は合成です。

 

◇合成

ここではPhotoshop CCでの合成方法をご説明します。

とはいうものの、自動で全部合成してしまいますので、簡単です。

まず最初に、Photoshop CCを立ち上げまして、「ファイル」のプルダウンメニュから「自動処理」を選び、更にそのサブプルダウンメニュから「Photomerge」を選択します。

Photomerge01_R

すると、以下のような「Photomerge」ウィンドウが立ち上がります。

①「参照」で合成する写真ファイルを選択します。

②レイアウトは「自動設定」を選択します。

③中央下部で、周辺減光補正と歪曲収差補正のチェックボックスをクリックして選択します。

注2.周辺減光補正は既にLightroom CCで事前に補正してありますので、入れても入れなくてもどちらでも良いです。

注3.歪曲収差補正については後述します。

注4.「コンテンツに応じた・・・」は、ソフトが自動的に空白部分を埋める処理です。場合によっては不自然な描写となりますので、選択する場合は要注意です。

④最後に「OK」をクリックすると処理が始まります。

Photomerge02_R

9枚合成であれば、1分強ほどで作業が完了します。

12枚合成であれば、2分少々と言った感じです。

ただし、PCのスペックや写真の解像度などにも依存しますので、一概には言えないと思います。

参考までに、私のPCは、Core-i7 3517U  CPU@1.9GHz 2.4GHz  RAM 4.0GBという超非力なマシンです^^;

1枚の写真を作るために、9枚の写真をLightroomで事前処理して、数分間の合成を待って・・・と、手間と時間のかかる作業ですが、フィルム写真を扱う事・・・と比べれば、圧倒的に手間と時間はかからないと思います^^;

Photomerge03_R

合成が完了すると、こんな↑感じです。

このままでは、各カットの合成か所に筋が入っておりますので、「レイヤー」のプルダウンメニュから「レイヤーを結合」を選んでやると、連続的に合成されて筋がなくなります。

Photomerge04_R

Photomerge05_R

最後に、適宜外周をトリミングして、PNGとして書き出しておきます。

この後、更にLightroom CCなどで画像調整を追い込む場合もございます。

因みに、合成時に「歪曲収差補正」を選択しない場合は、以下のような合成結果となります。

Photomerge06_R

四隅が引き伸ばされたような感じです。

どちらが好みかは別れるかと思いますが、歪曲収差補正をしないと、トリミング領域が増えてしまう・・・つまり捨てる部分が大きくなるという事が言えると思います。

 

◇結果

こうして出来上がった合成結果が、こちら↓です♪

K-1_Planar1.4_85-9photomerge-0501-10-2_R

画面内で自転車が浮き上がり、楽しい立体感が出ております♪

85㎜/1.4の被写界深度で、換算35㎜の広角域が描き出されました。

合成結果も、さほど違和感を感じることが無く。

広角のパースも感じません。恐らく歪曲収差補正で消されているものと思われます。

これも、Bokeh Panorama(ボケパノ)の一つの特徴かもしれません。

ボケパノ・・・あっぱれなのでございますv^^


6件のコメント

  1. 黒顔羊 より:

    ボケパノラマの詳細なご説明、どうもありがとうございました。^^
    アムゼル師匠に、Facebookのボケパノラマグループに入れてもらっているのに、いまだに撮ってません・・・
    MFの明るい中望遠Ai Nikkor 85mm/F1.4Sもあるし、Photoshop CCもあるんですけどねえ。
    ひたすらに、めんどくさいことが苦手な性分なんですよ。
    フィルム現像なんて、これに比べたらおちゃのこさいさいです。
    う~ん、アイボクに行ってボケパノラマでトラ狩りしてくるかなあ・・・ううううう、めんどくちゃい。^^;

    ↓日の出前の断片、美しいですねえ♪
    さすがに寒いんですね、氷点下なんだ・・・
    忍耐力に問題のある私には、撮れない写真だなあ。^^;

    • 皐月の樹 より:

      黒顔羊さん
      こんばんは~!
      ボケパノラマ・・・どうですかね~、やってみたら以外に簡単♪
      かもですv^^
      私が、以前、皆さんに数か月遅れて自家現像を始めたのと同じかも~・・・なんて^^;
      黒顔羊さんは、中判好き、絞り開放好きでらっしゃいますので、ボケパノを一度されれば嵌るかも~♪
      何よりも、絵が面白いんです!
      このブログに上がっている画は、全然その迫力を感じません。まあ、かなり縮小、圧縮しているので仕方ないのですが。FBの画像もイマイチです。仕上がりを自分のPC画面で見ると、全然違うんです。
      一度だけ、お試しされてみるのも、手かもしれません~v^^

      ↓この時は、結構寒かったです^^;
      4月で氷点下か~・・・と思ってしまいました^^;
      でも、それ故、よりこの光景が美しく感じたような気がしました♪
      あと、撮ってるど~!感も高かったです~^^;;;

  2. アムゼル より:

    わかりやすい説明ありがとうございます。感覚的なわたしめの説明では理解いただけなかった方々もこれでボケパノへの理解を進めていただいたことでしょう。ただメンドくさがり屋の黒顔師匠の誤解は未だ解けないようです。ボケパノは一切メンドーなことはなく実に簡便なものなのですがね。食わず嫌いはいけませんね(^^♪ だいたいわたしが如き面倒臭がりがのめりこむほどイージーなものである一点をぜひご理解いただきたいものです。まずは騙されたと思ってトライしていただきたいものです。

    ここでこの場をお借りしてボケパノ未経験者の方々のためにFacebookのグループ「和風ボケパノ」を紹介させてください。
    【グループ説明】<わが国では極めてマイナーなボケ・パノラマ(Bokeh Panorama) 拡散と有志の技術交流のためグループ結成をさせていただきます。ふるって作品を投稿お願いいたします♪>
    https://www.facebook.com/groups/123087178255034/?ref=aymt_homepage_panel

    まずは参加各師匠の作例をご覧いただき、よろしければグループに参加いただきともに遊んでゆきましょう。よろしくお願いいたします(^^♪

    • 皐月の樹 より:

      アムゼル師匠
      こんばんは~!
      こちらこそ、ありがとうございます~^^;
      いえいえ、師匠のお導き合ってのボケパノでございますね♪
      まだまだボケパノ発展途上人間ですので、まずは初歩的に自分の頭の中を整理しておきたく、ブログに残してみました。実は、MS-ICE編も作成中です~^^;
      そちらの方が、ボケパノへのハードルは更に下がるように思います。
      MS-ICEであれば、時間へのストレスと、合成失敗へのストレスの両方が緩和されると思っております♪
      黒顔羊さんも、一度なされば、嵌られると思うのですが~v^^
      「和風ボケパノ」のご紹介、ありがとうございます!
      また、後日改めて、ブログ本編でもご紹介させて頂きます。
      じわじわと、草の根運動!でございますね♪
      欧米のボケパノ巨匠群には負けられませんv^^

  3. フィルガソ より:

    ボケパノってこうして創り上げるんですね!
    解説ありがとうございます。
    デジタルの進化で写真もいろんな可能性が出てきましたね。
    なにしろスマホのカメラでボケが撮れる時代ですからね^^;

    • 皐月の樹 より:

      film-gasolineさん
      こんばんは~!
      ボケパノ・・・今は更に他のソフトを使うようになりました^^;
      撮影方法や撮影時の注意点も、ちょっと増えました^^;
      また、後日改めて、ご紹介したいと思います。
      仰る通り、デジタルになり、ソフトが進化し、とんでもないことが出来るようになってしまいました。
      私がこの方法で、一番興味が沸いたのが、大判写真の雰囲気を疑似体験できる・・・という所なのです。
      あるいは、中判クラスのデジタル写真が出来てしまう♪
      85㎜で標準画角に合成してやれば、中判。広角~超広角に合成すれば(枚数を増やせば)、大判となるわけです。
      疑似体験とは言え、実に魅力的なのでございますv^^

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